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(これまでのあらすじ)
16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
「よし、これで駆け落ちはなんとかなる!」
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
ところがその後に待ち受けていたのは、次の大きな3つの事件であった。
[その1] 他クラスのヤンキー3名による夜襲事件
[その2] 地域No.1不良「ケント」の子分よる深夜の嫌がらせ事件
[その3] 同級生バイク事故死を発端とした大抗争事件
ズタボロとなった矢吹の前に、一人の男が現れる。
それは、行橋No.1に強い男、宮里さんであった。
宮里さんは、完全に僕らの味方である。
矢吹の高校生活はどうなる?
続きをどうぞ。
~~~~~~~
ヨシノリの行動は、素早かった。
宮里さんからの指示には、全て「YES」だということは分かっていたが、まさに鉄砲玉。
昔見た三浦友和・主演の『悲しきヒットマン』という抗争相手のタマを取るというヤクザ映画があったが、この時のヨシノリの行動は、まさにヒットマンを彷彿させた。
この日の昼休みの残り時間で、すぐに工業化学科の連中のところへ行き、おもむろに教室の扉を開けた。
(ガラガラガラ~~~…)
ヨシノリ:「おい!丈。ヤったのは誰か!?出てこんかい!」
僕はヨシノリの後ろに、そっと姿を忍ばせていた…。
※情けない(-_-;;
教室内は、化学科の連中が数名たむろしており、その中に数名、僕の暴行に立ち会っていた連中がいた。
中井や江口、ツネの主犯格はそこには居なくて、暴行集団の中に居た “大沢” というミドルクラスのヤンキーが居た。
大沢は、ゆっくりとヨシノリの前に近づき、口を開いた。
大沢:「なんかお前、クラしたのは矢吹ど。なんでお前がここに来るんか?」
ヨシノリは睨みを利かして、次のように言った。
ヨシノリ:「はぁ~?ふざけんなよ。機械科のオレの連れがこんな目に遭って、黙っとると思っとるんか?コラ!」
と、この瞬間に、大沢はいきなりヨシノリの胸グラを掴み、怒鳴り上げた!!
大沢:「あ~?なんち言いよんか!コラぁ~!!キサンも矢吹と同じ目にこの場で遭いたいんか!!!」
ヨシノリも負けてはいない。
ヨシノリ:「おお!ヤれるもんなら、やってみぃや!!この場で、てめぇの脳みそ、カチ割ったるわぁー!!」
これは流石にヤバいと思った僕は、慌てて二人の仲裁に入った。
矢吹:「ま、待て!待て!!オレのことで止めてくれっ!!」
ヨシノリ:「丈、お前なん言いよんかちゃ!!コイツらにヤられたんけ、やり返すのは当たり前やろうが!!」
熱くなった二人を止めることなんてできるはずがない。
ずっと喧嘩ばかりやってきた僕は、このことはよく理解できていた。
だからこそ、冷静になって次のことを二人に投げた。
矢吹:「放課後、学校から出てからタイマンにしようや。ここじゃマズい!」
一気に、カタを付けたいという二人の気持ちをなだめるのは容易ではなかったが、
なんとかこの場は凌ぐことができた。
そして、放課後になった。
大沢とヨシノリのタイマンの場所は、高校を出て5分程度の僕の自宅の近所の廃屋となった。
ここだと人影もなく、思いっきり喧嘩をするには相応しい場所だった。
ギャラリーは、僕だけの状態。
そこはまるで、『武蔵の小次郎の戦い』の場のようであった。
お互いに睨みを利かせる大沢とヨシノリ。
最初に手を出したのは、ヨシノリの方だった。
ヨシノリ:「うぉおりゃあー!!」
ヨシノリの右ストレートをサッと交わす大沢。
体勢を整え、もう一度、今度は背後からケリをくらわそうとしたヨシノリだったが、これも大沢は身を交わした。
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パンチもキックも全く大沢にはヒットしない。
そうなのだ。化学科の連中は単なるヤンキーじゃない連中ばかりだった。
覚えているだろうか?最初の夜襲に逢った化学科の三人のことを。
ツネ :剣道部
田中 :空手部
マサル:野球部
バイク事故死の誤解話の件の時に僕に暴行したあいつを。
江口:バスケ部
そして、今回、ヨシノリとタイマンを張った大沢は、なんと、
大沢:柔道部
だったのである。
ちなみに、ヨシノリと僕は高校は部活はやってなくて、放課後はいつもパチンコに明け暮れていたので、自称・パチンコ部に所属しているようなものだった。
こんな二人は、バリバリの格闘技や球技をやっている連中とまともにタイマンを張っても勝てるはずがない。
当時、ヨシノリと僕は、そんなことは一切考えず、売られた喧嘩は買っていた。
だから、今回も大沢が何部に所属していようと全く関係ないと思っていた。
ところが、今回のように廃屋とはいえ周囲に何もない開けた場所でのタイマンの場合は、そこは格闘技のリングのような感じになっていたため、日頃からのスポーツをやっている化学科の連中との戦いは明らかに不利な状態であることは、誰の目から見ても明らかだった。
大沢の方をよく見ると、薄ら笑っているような顔をしていた。
と、次の瞬間、大沢がいきなりヨシノリの顔面にエルボをブチかましたのだった。
「ドコォッーー!」
地面に倒れこむヨシノリ。
僕は、慌ててヨシノリのところへ駆け寄り、ヨシノリをかばおうとした。
しかし、ヨシノリは、
ヨシノリ:「丈、さがっとけ!これはアイツとオレとのタイマンなんけ、手を出すなっ!!」
そういって、自分自身でヨシノリは僕を跳ね除け、起き上がろうとした。
が、その直後に顔面をキックされて、再び、ヨシノリは倒れこんだ。
(「ヤバイッ」)
僕は、明らかに劣勢になったヨシノリのことが心配でたまらなかった。
そして、次の瞬間、僕の目の前で、信じられない光景が映った。
なんと、大沢が、廃屋の隣に並べていた木の電柱を抱えて振り回し始めたのだ!!
※丁度、この時代は電信柱が木材からコンクリートへの交換時期であった。交換した木材の電柱が廃屋の隣に置かれていることは、不思議な光景ではなかったのだ。
これには、さすがのヨシノリも動揺を隠し切れずに居たのだが、耐えられなくなったのは僕だった。
矢吹:「大沢、お願いだから、これ以上は止めてくれ!
ヨシノリはオレの仇を取るために、こんなことをやったんだ。
許してやってくれ!やるなら、オレをやってくれ!!」
僕は、上記のように泣きながら叫んだ。
ここで、タイマンは終わった。
大沢は腕に抱えた木材の電柱を、端っこにブン投げて、一言も言わずにその場から立ち去って行った。
ヨシノリの方を見ると、目ブタが貼れ、頬には斜めに傷が入り、そこから血が流れていた。
矢吹:「ごめんな、ヨシノリ。オレのせいでこんなことになって…」
ヨシノリ:「・・・・・」
黙って下を向き、こんなに真面目な顔をして悔しがるヨシノリの横顔を見たのは、はじめてだった。
機械科のツッパリ二人組のヨシノリと僕は、見事に全敗を期してしまったのだった。
(つづく)
追伸:
あらためて “実力” というものを叩き付けられましたね。
本当に、このことはヨシノリにとっても、僕にとっても苦い思い出となりました。
この後、このことについては、お互いが話をすることはありませんでしたから。
以上で、抗争系のお話しは、すべて終わりとなります。
しかし、次回から僕の気持ちはトコトン落ちてしまいます。
そして、僕は…。
次回もお付き合いください。
今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。
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