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ファースト・キスから数日が経過していた。
僕達は、バイト帰りに必ずキスをしてから互いの帰路に就くことが習慣になっていた。
この頃から、交換日記の内容は、より深みのある内容となり、彼女は僕に色々と家庭の相談なんかも書いてくれるようになっていた。
高校二年で彼女よりも4つ年下の僕は、人生経験が浅かったが、できる限り精一杯の僕なりの言葉を添えていた。
この僕の一所懸命さに、彼女は答えてくれた。
ある日のこと、彼女から彼女の自宅へ招待されたのだった。
僕はもう嬉しくて堪らなかったわけだが、彼女のお母さんや弟さんと会うことには多少の戸惑いがあった。
(ちなみに彼女は母子家庭)
ここで、話を中学時代の僕の話をしたいと思う。
彼女のお母さんや弟さんと会うことに、戸惑いを感じた理由がお分かりいただけることだろう。
これまたモノ凄くスッパイ内容となるので、覚悟して読んでいただきたい。
実は、実ることのなかった初恋の話である。
ツッパってた高校生の僕と、真面目な中学生の僕とを比較して楽しんでいただきたい。
では、中学一年の僕にタイムスリップします。
「ジョーくん」
名前で呼ばれることは、生まれて初めてのことだった。
小学校から中学入学まで同級生からは「矢吹」とか「矢吹くん」、仲の良い友達からは「やぶっちゃん」とか「ジョー」と呼ばれていた。
それが、中学一年になって、クラスで一番人気の葉子ちゃん(実名)に「ジョーくん」と呼ばれることになったのだ。
自分にコンプレックスを持っていた僕は、完全にからかわれていると思っていた。
しかし、僕のことを連日「ジョーくん」としっかり読んでくれる彼女に、いつしか僕は恋心を抱くようになっていた。
「(僕も下の名前で呼びたい…)」
そんな勇気なんてあるはずもなく、僕からは葉子ちゃんを “○本” と呼ぶしかなかった。
しかし、ある時、ひょんなことから、葉子ちゃんの隣の席に座っていた稲田さん(実名)から、
「矢吹くん、葉子ちゃんからいつも名前で呼ばれてるのに、矢吹くんからは “○本” っていうのは失礼なんじゃない」
と余計なお節介を言ってきた。
僕は、心の準備ってものがなく、ただただ動揺して「明日には考えとくよ」と言って、その日は帰宅した。
葉子ちゃんは、この光景に笑っていた。
次の日、僕は葉子ちゃんにではなく、稲田さんに、「決めてきた。“葉さん” と呼ぶよ。」と言った。
本当は “葉子ちゃん” と呼びたかったが、“子” も付けず、“ちゃん” も付けず、僕が葉子ちゃんのことを好きだということがバレないよう、ギリギリの結論を出したのだった。
※しかし、2年前の中学の同窓会で「矢吹くん、葉子のこと好きだったでしょう。バレバレだったよね~」と、言われたのはアラフォーになった今となっても相当に恥ずかしかった…(^^;;
葉子ちゃんは、クラスでもかなり目立つ子で、相当に大人っぽかった(当時の彼女を今、思い出しても、大人っぽかったと思う)。
髪はストレートで長く、背も高く、丈の長いスカートを穿いてて、時々チラっと見えるお腹と背中の素肌がとても刺激的ことを覚えている。
また、声も甲高さの中に深みがあり、こちらも僕の聴覚を刺激した。
だからと言って、当然のことながら、僕から特段、アプローチをすることなんてことはなく、当時テニス部に所属していた僕は、ひたすら坊主頭でテニスに打ち込んだ。
そんなこんなで、中学2年もそろそろ終わりに近づいたとき(いきなり飛びます^^;;)、中学男子がもっともそわそわする日がやってきたのだった。
そう、2月14日。バレンタインデーだ。
僕は小学校時代のチョコ獲得成績はゼロ(1つかすりかけたことがあったが、バットに触れず空振り三振)。
中学に入っても1年生の頃はゼロだった。
周囲はジャニーズ系を気取る奴等が、小学校時代からチョコ獲得の熾烈な戦いを繰り広げていたが、僕は全くそっち系のレースに参戦する資格を兼ね揃えていなかった。
しかし、プライドは人一倍強く、ジャニーズ系からのチョコのオコボレをもらうようなこともしなかった。
※実際、おこぼれをもらう連中が数名いたが、僕はそれを自分の中で恥じた。
そんな僕に、唯一本命のチョコを毎年くれていたのは、ただ一人、僕のかあちゃんだけだった。
そんな僕だが、中学2年のバレンタインデーは、密かに葉子ちゃんからもらえないかと、内心55%ほど期待していた。
そして、遂にその日がやってきた。積極的な女子は、朝から狙いの男子にチョコを手渡ししていた。
当然、僕のところに来る女子はいない。
昼休みが終わり、残るチャンスは放課後のみとなった。
既に、十数個のチョコを獲得している男子も数名いた。
まるで、AKB48の総選挙の男子版のようにも思えた(って、まだAKBはおらんっちゅーに!!^^;;)。
キ~ンコ~ン♪カ~ンコ~~ン♪♪
終業のチャイムが鳴った。
そのとき、歴史が動いた。
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教室には葉子ちゃんの姿はなく、僕に “葉さん” と呼ばせるきっかけを作った、稲田さんがいた。
その稲田さんが、無造作に僕に近づいてきて、チョコを手渡してきた。
「ジョーくん、はい。葉子ちゃんからよ。」
願いが叶った瞬間だった。
残念ながら、この時のトキメキはもう記憶にはあまり残っていない。
ただ、どんなチョコだったのかははっきりと覚えている。
水色の包装紙で包まれた正方形のチョコ箱を開けると、そこにはテニスラケットの形をしたチョコが斜めに入っており、対角線上にボールのチョコが二つ入っていた。
嬉しかった僕は、このチョコだけは宝物にしようと帰宅したのだが、僕のことを可愛がってくれていた僕の父方の婆ちゃん(没)に、「ジョーちゃん、それ何ね?ほえぇ~、美味しそうやね~(パク)」と食べられてしまったという苦い記憶のみが残っている。
しかし、確実に葉子ちゃんが、普通の男子以上には、僕を見てくれていることは間違いないと思ったので、チョコの件はそんなに落ち込むことはなかった。
実は、その後に実は葉子ちゃんとは進展があり、僕から勇気を出して葉子ちゃんの写真が欲しいと言って、数日後に葉子ちゃんから写真を入手したのだ。
※この記憶ははっきりと覚えてて、心臓が破裂しそうだった(笑)
そして、なんと!その写真に写っている葉子ちゃんは、当時僕が部活で着ていた黒に赤いラインの入ったプーマのジャージを羽織ってVサインをしてくれていたのだ。
ペアルックってわけだ♪♪
僕はこの写真こそが宝物にするべきものだと思い、近所の文房具屋に行ってラミネート化を依頼した。
ところが、当時のその写真は光沢モノではなく表面がザラついた加工もの(なんて表現すればいいんだろう)で、ラミネート処理すると、悲惨な結果となってしまったのだ。
葉子ちゃんの顔写真がお正月にやる福笑いのようにバラバラになってしまったのだった。
このことは、葉子ちゃんには申し訳なくて、報告することができずに、今に至っている。
※というか、まだ報告しなければという思いを持っている自分に驚いた。
しかし、ここに来て、僕には勇気が生まれたのだった。
「葉子ちゃんが僕のことを好きである可能性は非常に高い」という根拠が出揃ったわけだ。
(1) バレンタインデーチョコの入手
(2) 要求した写真の提供とその写真に写った僕とお揃いのジャージ
すみません、ダラダラと書いてしまいましたが、今日の記事との繋がりは実はここからなんです!^^;;
実は、葉子ちゃんに関するある噂が流れていた。
「彼女は、父親がヤの自由業であり、それ相応の御家柄の出らしい」
とのことだった。
真相は明らかにならないまま、時だけが過ぎ、僕は葉子ちゃんからチョコと写真をゲットしていた。
この時、僕は多少の覚悟をしていた。
“もしも付き合うことになり、結婚することになった場合は、それなりの覚悟を決めなくてはならないな。”
本気でそんなことを考えていた、坊主頭のテニス部所属の中学2年の僕だった。
実は、この後に、誰にも言っていないエピソードがある。
その話をして、今回の中学時代の回想には幕を閉じたいと思う。
僕は、真相を明らかにするために、彼女の電話番号を調べ、彼女の自宅に電話をしたのだ。
「トゥルルルル…..トゥルルルル…..トゥルルルル…..」
(ガシャッ)
「はい、○本組です。」※太めの男の声
って出たらどうしようと、思いながら電話をした。^^;;
「トゥルルルル…..トゥルルルル…..トゥルルルル…..」
(ガシャッ)
「はい、○本です。」※サラリーマン風なお父さんの声
だった。
僕の目的は、真相確認だったので、そのまま無言で電話を切った。
今思うと、なんとも情けない中学男子だ。
以上、中学時代の回想終わり!
とまあ、こんな経験(と呼べるのか??このことは^^;;)があったもんだから、
彼女のお母さんや弟さんに会うのを少しだけ警戒していたのかもしれない。
そして、いよいよ彼女の自宅へ行くことなったのだった。
(つづく)
追伸:
今日の話は、ボツかなと自分でも思います。
ほとんど自分が残したいだけで書いた記事のような感じになっていますよね。。
今日で12話ですが、本当に伝えたい部分に触れて行きたいのですが、なかなか届きません。
でも、そのことを本当に書いていいのか?心が病んだりもします。
気付かれる方も多いと思いますので、申し上げておきますと、この小説では妻の内情にはできる限り触れていませんません。
暴露はあくまで僕の心の中の話です。
リアルさを再現するとなると、そこまで入り込むべきかもしれませんが、それはできません。
家庭にはそれぞれ色々な事情があり、触れてはいけない部分も沢山あります。
よく芸能人が別れた相手の暴露本なんかを出して有名になったりしていますが、まったくもってふざけているとしか言いようがありません。
人権侵害以外の何物でもないでしょう。
今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。
皆さんの1クリックに感謝します。m(__)m
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