【第70話】駆け落ちカウントダウン、しかし新たな問題が二人を襲う…

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(これまでのあらすじ)

 

16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
「よし、これで駆け落ちはなんとかなる!」
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
ところがその後に大きな3つの事件に遭遇してしまう。
これらの問題は全て解決したが、これらの事件によって、愛を全うする駆け落ちではなく、半分脱出計画に変わって行っていた。
果たして、矢吹は彼女を連れて無事にこの街を脱出できるのだろうか?

 

続きをどうぞ。

 

~~~~~~~

 

高校3年生の最後の正月を迎えて、高校生活も残すところ3ヶ月弱となっていた。

 

僕達は、完全に駆け落ちモードに突入し、3月の卒業式をゴールと設定して、
カウントダウンを始めていた。

 

「卒業(駆け落ち)まで残すところ、後XX日」

 

といった感じだ。

 

この街を去る、すなわち、もう二度とこの街に戻らないと覚悟を決めた僕達は、時間を見つけては、中古で買った赤いマーチに乗って、思い出の場所をドライブし、片っ端からカメラで記念撮影を始めていた。

 

運転は、決まって僕がやっていたのだが、あちこちの思い出の場所を行った後、彼女の方を見ると、時折、車の窓から外を見て涙を浮かべていたこともあった。

 

僕も、ぐっと来ることもあったが、ここで僕まで泣いてしまってはお互いの気持ちにブレが生じるかもしれないと思い、僕はいつもつまらないギャグを連発して彼女を笑わそうとしていた。

 

北九州での一番の思い出の場所と言えば、やはり百万ドルの夜景で有名な「皿倉山」である。

 

さすがに、ここに着いた時には、僕も涙をこらえることができなかった。

 

 

——- ここで、またまた回想シーンです…

 

彼女とは、高校生活の間で何度も喧嘩をした。

 

深夜に喧嘩をした際には、彼女は決まって外に飛び出して行った。

 

僕は、付き合い始めた最初の頃は、彼女の心理が全く理解できずに、喧嘩の原因が分からぬまま、夜の街の中ひたすら彼女を探した。

 

ある日のこと、本当に大きな喧嘩となり、彼女は「もう死ぬ!」と言って外に飛び出したことがあった。

 

僕は、この時だけは自分の力ではどうすることもできないと思い、彼女の親友のサミーという女性に夜遅くに電話を掛けヘルプを求めた。

 

サミーは、直ぐに白いスターレットという車を飛ばして、僕の自宅の傍まで来てくれて、そこから二人で彼女を探した。

 

何時間も掛かけて出て行った彼女を探したが、なかなか見つけることができない。

 

この間に、僕はサミーに喧嘩に至った経緯を話した。

 

サミーからは女性ならでは彼女の繊細な気持ちを読み解き、喧嘩となった根本の原因を見つけ、彼女への対応方法を僕にアドバイスしてくれた。

 

その後に、なんとか彼女を探し当て、サミーからのアドバイス通り、僕は彼女に謝った。

 

彼女は僕の胸で泣き崩れ、僕は激しく彼女を抱きしめた。

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それを見たサミーは、そっと自分の車を僕達に貸してくれて、

 

「二人で夜の街をドライブしな。」

 

と言ってくれ、そのまま自分はタクシーで帰宅してしまった。

 

サミーの車で、行くあてもなく車を走らせ、辿り着いた場所が「皿倉山」だった。

 

皿倉山から見える夜景に、さっきまでの喧嘩が嘘のように、僕達は心が穏やかになっていった。

 

車の中で無言で見つめ合った僕達は、唇を重ね、車のシートを倒して、激しく抱き合った。

 

(その後の展開は、皆様のご想像に一任します…^^;;)

 

——- 回想シーン終わり

 

 

皿倉山の夜景だけは、僕達は忘れることができない。

 

駆け落ち先でも、皿倉山の夜景を越える場所を探そうとしたが、見つけることができなかった。

 

まさに僕達の聖地であった。

※駆け落ち先からUターンで北九州に戻ってきて、子供が産まれてから、真っ先に向かったのが皿倉山ですもん。*^^*
皿倉山が無かったら、もしかしたら北九州には戻ってきていなかったかもしれませんね。そんなことはないか(笑)

 

そんなこんなでカウントダウンは着実に進んでいたのだが、実はある問題が僕らに目の前に立ちはだかっていた。

 

それは、

 

「金」

 

である。

 

お金が底を付き掛けてしまっていたのだ。

 

実は、本当に当初立てた100万は、なんと貯めることが出来た!

 

そのお金で、中古の車も買ったし、向こうで生活するための最低限の電化製品も買った。
※電化製品は、彼女も結構お金を出してくれたのだが…。

 

ただ、一部考えが甘かった…。

 

駆け落ち先に到着した後、1ヶ月間の生活費が無いことに気付いたのだ。

 

就職先が見つかったとは言え、さすがにいきなり1ヶ月分の生活費を先にもらうことなんて出来るわけない。

 

既に、パチンコもホール側の対策が施され、新装開店で稼ぐことも難しくなっていた。

 

また、バイトをやるにしても、残り2ヶ月程度でバイトなんて雇ってくれるわけがない。

 

正月を迎えたからと言っても、高校3年生の僕は、お年玉はそんなに貰えなかった。
※というか、高校に入った辺りから、親戚連中で談合をし、子供達のお年玉を一律3千円にするということが決まっていた。
そんな無茶苦茶な法案がよく可決されたものだと、高校生当時の僕は半分怒りを覚えていたが、今、子を持つ親の立場になると、この法案を僕も施行させたいと思ったりしている。人間は現金な生き物だと思う今日この頃だ(笑)

 

こんな時は、神頼みしかない!と思っていた矢先に、本当に神が僕の前に現れて、僕に一言、お告げをくださったのだ。

 

 

「おい、神の子、丈よ。お前に1枚の紙切れを授けよう。」

 

「この紙切れは単なる紙切れではない。お前の望みを全て叶えるものだ。」

 

 

この言葉を投げたのは、あの男である。

 

そう、僕の父、神・タツヒコである。

 

 

(つづく)

 

kamisama

 

追伸:
今回の作品は、「浮りゆ」真骨頂だと思います。
やっぱり、「浮りゆ」はこうでなくっちゃね♪*^^*
次回、我が神・タツヒコの登場で何が起こったのか真相を明かします!
最終回は、クリスマスになりそうです♪♪^^

 

 

 

今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。

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