【第52話】嘘のような本当の話♪逃げ切り成功!しかし…

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(これまでのあらすじ)

16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
よし、これで駆け落ちはなんとかなる!
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
しかし、ある土曜の深夜に掛かってきた1本の電話から事体は急変するのだった。
深夜に他のクラスのヤンキー3人組に呼び出され、ボッコボコにやられてしまったのだ。
この時、主犯格のツネの「お前の女を犯す」といった一言が、矢吹を逆上させ、殺意を抱かせた。
1週間後の土曜の夜、矢吹は腹にサラシを巻き、腹とサラシの間にドスを差し込み、ツネのタマを取るために出陣した。
ところが自宅を出て100m程度の場所で警察官に声を掛けられ、計画実行前に銃刀法所持違反の疑いで現行犯逮捕….

つ、続きをどうぞ!!^^;;

~~~~~~~

 

暗闇に現れた男が、まさか警察官だったと…。

運が良いのか悪いのかさえも、この当時の僕には判断できなかった。

矢吹:「銃刀法所持違反の現行犯で逮捕か..」
   「さすがに退学だな..こりゃ..」

目の前の現状を冷静に把握できてきた僕が、まず最初に思ったことだ。

男(警察官):「それは兄ちゃんのモノか?」

警察官が、僕に問い掛けた。

ここは、嘘偽りのないことを全て話そう。
隠しても仕方のないことだ。

矢吹:「いえ、これは父のモノです。黙って家から持ち出しました。」

男(警察官):「なんでまたそんなもんを、こんな夜中に…」
      「理由はなんね?」

僕は、全てを話すことに決めた。

先週の出来事や、僕の彼女のこと、そして、僕がやろうとしていたこと。

矢吹:「実は…」

ここで、僕は、ふとこのことが明るみになった場合の事態を想定し、言葉を詰まらせた…。

(「ここで、全てを話したところで、警察が何もかも解決してくれるはずはない…」)

また、この警察官は、僕との2,3の会話で、最初の凄い剣幕が薄れていたこともあり、詳細まで話さなくても、もしかしたらこの場を見逃してくれそうな気がしたのだ。

そこで、僕は次のように話を簡略化した。

矢吹:「ちょっと、友達と喧嘩しちゃって、このドスで脅そうと思っちゃいました。」
   「でも、危ないですよね、こんなことしたら…。」
   「すぐに父に返します…。」

そして、この会話で返ってきた警察官からの返答は次のとおりだ。

男(警察官):「そうか、じゃあ早く家に帰れ!」
      「お前んとこの家はどこなんか?」

矢吹:「はい。100m程戻った左手の家です。」

男(警察官):「わかった。もう夜も遅いから早く帰れ。」

矢吹:「…わかりました。ありがとうございます。もう二度とこれは持ち歩きません。」

ということで、僕は解放されたのだった。

「うっそぉ~、マジでぇ~??」

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と思われる方もいるかもしれませんが、これは本当にあったことです。

 

実はですね、これにはきちんとした理由があるのです。

この5階建ての鉄筋の建屋こそが、近所で有名なツ黴€『警察官舎』(警察官の方の社宅) だったのです。

僕の友達も何人かここに住んでいて、友達のお父さんは全員警察官でした(当たり前^^;;)。
ですので、この近所の町営住宅の住民は、みんなこの警察官舎に住む警察官およびそのご家族と仲良しだったのです。

この男性警察官も、深夜のお勤めを終えて、自宅に帰りついた直後だったのだと思います。

次の日も、何事も無かったかのように、朝から近所の草取りとミゾ掃除が始まりましたからね。

で、僕はこの後は、ツネのアジトに行く気力なんて無くし、そのまま自宅の “離れの部屋” に戻ったのでした。※普通、行けないっしょ?^^;;

彼女は、グッスリ寝ていたのですが、僕の帰宅に気づき、

彼女:「ぅんん…、どこ行っとったん?」

と聞かれましたが、この場は、

矢吹:「うん、友達が彼女のことで相談があるっちいいよったやん。
    電話じゃ拉致があかんくなったけ、
ちょっとソト行って相談に乗っちゃりよったんよ。」

なんていう嘘を付いて、流してしまいました。

 

しかし、このことが、後で厄介な事態に発展するのでした…。

そうです。

結局、僕はツネのアジトに行かず、無視したわけですからね…。

その後は、毎週土曜の夜になると電話の嵐となりました。

ここまで来ると、もう彼女には嘘は付けません。

全てを話し、もう一度、計画を実行に移したい旨を伝えたのですが、「バカ!」の一言で一蹴されてしまいました。

「とにかく相手にするな!」
「トコトン無視しろ!」
「どうせ駆け落ちするんだから時間稼ぎでも何でもして逃げ切れ!」

とまあ、このようなアドバイスを彼女から受けました。あーー、恥ずかしい^^;;

そして、もう一言。

「アタシが、簡単に犯られる女なわけないやろ!バカっ!」

ま、そりゃね、元レディースなわけですかね。^^;;

彼女だったら、“ヤられる前にヤりかえす” ような気もしましたがね…。
昔のこと知ってますから…。^^;;

でも、一応、僕の女なわけですから、男としてカッコイイとこ見せたいわけっすよ!^^;;
※これは、今でも変わりません!

 

ちなみに、、もうわかりますでしょ?

僕はこの時点で、美しい駆け落ちでは無くなっているんです。トホホ…

 

僕はこの件については、ずっと無視し続けました。

そして、遂に自宅の電話番号も変えました。
※これには、さすがの親も怒りましたが、それほどまでに事態は悪化していました。

 

電話番号を変更したことにより、夜中の電話は無くなりましたが、それは暫定的な対策なわけであり、恒久的な問題解決には至っておりませんでした。

 

それどころか、更に、次から次へと問題の数が増えていくことになります。

ここから先のストーリーは、矢吹丈がサンドバック状態になる模様を駆け足でお伝えしていきたいと思います。

 

(つづく)

 

police

 

追伸:
ドロドロ化は更に続きます。
僕は、高校を辞める決意を固めることになります。
さあ、次回以降、矢吹丈はどうなっていくのか?
乞う、ご期待ください!

 

今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。

 

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