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医療ドラマ「JIN-仁-」で登場したペニシリンの驚くべき作り方

      2017/11/04

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2009年に大ヒットした医療ドラマ「JIN-仁-」(原作:村上もとか氏の漫画)でも広く知られたペニシリンの作り方をご紹介します。

「スゴい!ペニシリンって手作りできるの?」という驚きの新事実をレポートします!

 

原作者のある想いから生まれた「JIN-仁-」の魅力とは?

漫画家の村上もとか氏が原作の大ヒット医療ドラマ「JIN-仁-」は、彼のある想いから生まれました。

作者の村上が遊郭について調べたことが、この作品を描くきっかけになっている。

遊郭の遊女は、口減らしとして売られた貧困家庭出身の娘や女衒(ぜげん:遊郭に女性を売る仕事をしている人)によって売られた身寄りの無い娘が多く、その娘が仕事柄梅毒に冒され、さらには有効な治療法も無かったため、次々と命を落としていった。

この事実を知った村上は憤りを感じ、せめて漫画の中だけでも彼女たちを救えないかと考えたという。

(wikipediaより抜粋)

人の命を救いたいという強い想いから生まれたこの作品は、やがてドラマ化されて2009年から放映され漫画同様に大ヒットしました。

そして、梅毒は江戸時代には治療法がなかったのですが、現代では有効な治療ができるようになりました。

世界初の抗生物質となったペニシリンが、その治療に有効であることは現代では広く知られています。

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「JIN-仁-」の中では、この現代の治療法を江戸時代に持ち込むためにSF的要素が加わって、ストーリーの主人公である脳外科医の南方仁(みなかた じん)が、タイムスリップをして江戸時代に向かうことになるのです。

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人を助けるという使命がある作品は、いつの時代も多くの人々に受け入れられる魅力があるように思います。

 

ドラマの中でも再現ができた驚くべきペニシリンの作り方とは?

ペニシリンと聞けば、大きな製薬会社で作ってくれるというイメージが一般の方には浸透しているかもしれません。

しかし医療が発達した現代でも、新薬の研究をする薬学博士の方々の中には、外出先で偶然出くわした植物を採取して、その成分から有効なものを抽出して薬効をデータ化する地道な作業を行っている方もいます。

ですのでペニシリンも同様に、イギリス人細菌学者のフレミングによって偶然発見された薬効の確認できる新薬だったのです。

ここで、ペニシリンの作り方をご紹介しましょう。

■ペニシリンの作り方■

(「JIN-仁-」公式HP 現場レポートより抜粋)

<ステップ1>

青カビの培養作業をする。
芋の煮汁と米のとぎ汁を合わせた液体を容器に入れ、液体培地を作る。
その上に、集めた青カビ(カビは27℃で一番発生しやすいそう)を移植する。

<ステップ2>

ペニシリンの抽出作業を行う。
蓋つきの陶器の樽の上に綿をつめたじょうごを置き、その上から青カビの培養液を流し入れ、培養液をろ過する。

ろ過した液体の中に、菜種油を注ぎ、樽の中を棒でかき混ぜる。
この作業によって、樽の中の液体が「油に溶ける脂溶性物質」「水にも油にも溶けない不溶性物質」「水に溶ける水溶性物質」の3種類に分離する。

樽の栓を抜き、一番下に溜まった水の部分(水溶性物質)だけを別の容器に移す。
ペニシリンは水溶性物質のため、この部分に溶けているということになる。

ペニシリン溶液からさらに不純物を取り除く。
煮沸消毒して砕いた炭を入れた甕(かめ)にペニシリン溶液を流し込み、再びかき混ぜる。
「ペニシリンは炭に吸着する」性質があるため、炭のみを取り出し、容器(※注ぎ口と排出口のついたもの)に詰めかえる。

煮沸蒸留したきれいな水を注ぎ口から流し込み、不純物を洗い流す。
さらに純度を上げるため、今度は酸性水(お酢と蒸留水を混ぜたもの)を注ぐ。
ペニシリンは酸性物質のため、酸性水で洗うことによって、炭に吸着しているアルカリ性の不純物質を取り除くことができる。

最後に、容器の排出口に綿をつめた(フィルターの働きをする)器具を取り付け、受け皿となる容器を用意。
注ぎ口から重曹を溶かした蒸留水(※アルカリ性)を通す。
これによってペニシリンは炭から溶け出し、排出口からは純度の高いペニシリン溶液が抽出される。

<ステップ3>

ペニシリン抽出液の薬効を調べる。
半合ずつに分けたペニシリン抽出液を、患者の膿から採取したブドウ球菌をなすりつけた寒天培地に少しずつたらす。
蓋をして数日待つ。

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劇中でご紹介したのは、以上の工程となります。ご参考まで。
※危険なマネは、くれぐれもなさらぬようご注意ください。

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青カビの成分がこんな素晴らしい薬になるとは、本当に驚きですよね。

偶然の発見がもたらす人命救助の手段は、思いがけないところにあるのかもしれません。

 

ペニシリンの役割と、人の命を救う使命とは?

ペニシリンは世界初の抗生物質と書きましたが、それでは抗生物質とはいったいどのようなものなのでしょうか?

■抗生物質とは■

微生物が産生し、ほかの微生物など生体細胞の増殖や機能を阻害する物質の総称。

(Wikipediaより抜粋)

人の体はホメオスタシス(生体恒常性)の機能があり、体の中で生きるための活動をバランス良く保とうとする働きがあります。

ですが、病気の時などは病原菌に体を侵され、生命維持のバランスが危ぶまれることもあります。

現代ではそれほど心配することではありませんが、「JIN-仁-」の舞台となった江戸時代やそれ以前は、ちょっとした炎症や感染が命取りになることも多かったのです。

歴史のデータとして、乳幼児の死亡率を見てもあまり心が動かないかもしれません。

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しかしながら、命の現場で人命救助を試みる当時医師の立場からすれば、どのような感情があったのか慮(おもんぱか)る(意味:相手の状況に思いを巡らす)だけで、辛い気持ちになります。

20世紀になってようやく発見されたペニシリンは、人の命を助けたいという長年の医師たちの想いから完成したものなのかもしれません。

「JIN-仁-」も江戸時代を舞台に、ペニシリンが多くの人々を助けることができました。

果たせなかった過去の多くの人の想いは、「JIN-仁-」のおかげで癒された人も多かったのではないでしょうか。

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まとめ

  • 医療ドラマ「JIN-仁-」は原作者の、遊郭の女性の病気を救いたいという想いから生まれた感動ストーリー
  • ペニシリンは芋の煮汁とお米のとぎ汁から発生させた青かびから作ることができる
  • 人命救助の世紀の発見である世界初の抗生物質となったペニシリンは、命の現場の医師や患者をたくさん救ってきた

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あとがき〜ペニシリンは失敗から生まれたものだった???

ドラマの中で、中谷美紀演じる野風に頼まれ、仁が武田鉄矢演じる洪庵とペニシリンを作るシーンがありました。

このシーンを観た方の中には「洪庵がペニシリンの発明者?」と思われた方もいらしゃるのではないでしょうか?

しかし、洪庵が江戸の医学所で亡くなったのが1863年。ペニシリンの発見は1928年です。残念ながら洪庵の発明ではありません。

記事でも紹介しましたが、ペニシリンはフレミングによって偶然発見されたもの。しかも、フレミングの失敗から生まれているとも言われているんですね。

というのも、フレミングは自分の不注意から培養菌のシャーレに青カビを生やしてしまうのです。

もしかしたら「あーー、せっかく培養したのに・・・」の心境だったのかもしれません。

しかし、観察力が鋭いフレミングは、ある事実を見逃しませんでした。

その事実とは、青カビの周りだけ菌が消えていた!というものです。

フレミングはこの事実を突き止め、研究を開始し、実用化されるまで研究を続けます。

こうして実用化されたペニシリンは、戦時中には多くの感染症から人の命を救うことになりました。

ペニシリンは抗菌薬の分類上、βラクタム系抗生物質に分類されます。真正細菌の細胞壁の合成を阻害する薬で、ペニシリンが作用することでこの細胞壁が薄くなり、菌の増殖が抑制されました。

しかし、その後は抗生物質による耐性菌との闘いに移行していきます。

つまり、抗生物質が開発されるたびに、病原菌もそれに耐性をつけていってしまうということです。

その後、耐性菌に有効な抗生物質が開発されてきていますが、ペニシリンの発明があったからこそ現代の医学の抗菌薬の開発に繋がっていると言えますね。




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