【第72話(最終回)】旅立ちの日

恋愛小説(ノンフィクション)

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(これまでのあらすじ)

 

16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
「よし、これで駆け落ちはなんとかなる!」
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
ところがその後に大きな3つの事件に遭遇してしまう。
これらの問題は全て解決したが、これらの事件によって、愛を全うする駆け落ちではなく、半分脱出計画に変わって行っていた。
そして、最後の難関が矢吹を襲った。
それは、『お金』である。
100万を現金で貯めることは出来たのだが、計算ミスを犯し、後10万がどうしても足りない。
そんな時、父(神?)・タツヒコのある計らいで、10万円を補填することができた。

 

そして、高校の卒業式を迎える矢吹。

 

いよいよ、彼女との駆け落ちの日が訪れる。

 

涙の最終回、どうぞよろしくお願いいたします。

 

~~~~~~~

 

金銭面での問題も解決し、駆け落ちの準備は全て整った。

 

そして、僕は高校生活最後の卒業式を迎えた。

 

普通だったら、卒業式という行事は、高校生活を締め括るに相応しく、おそらくほとんどの方の記憶に残る、人生を彩る上での美しいイベントとなるところだろう。

 

ところが、この記事を書いている僕には、高校の卒業式の思い出がほとんど残っていない。

 

それほどまでに、一刻も早くこの街から抜け出したかったのだろう。

 

卒業式当初、僕はさっさと高校を後にした。

 

しかし、校門を出た直後に、数名の化学科の不良連中に囲まれたのだ。

 

 

(「嘘やろ..」)

 

 

そう思った僕だったが、彼らは、僕に挨拶をするために校門の外で待っていてくれたのだ。

 

 

「矢吹、3年間色々あったけど、ありがとな!」

 

 

この言葉を投げてくれたのは、色々な事件の主犯格ではなかったのだが、僕はこの最後の一言に救われた。

 

それまで、澱(よど)んだ記憶しかなかった高校生活の思い出が、この最後の一言で、僕の心に明るい花を添えることが出来たように思う。

 

 

「お、おう!オレの方こそ、色々ありがとうな!お互い、道を突き進もうぜ!!」

 

 

こんな言葉を返したような記憶がある。

 

気分を良くして下校し始めた僕の目の前に、またもやある男が現れた。

 

なんと、それは、僕の親友のヨシノリとタイマンをして圧勝した化学科の柔道部の大沢だった。
(「【恋愛小説:第61話】パチンコ部所属の機械科ヤンキー2人組に勝算はあるのか?!」参照)

 

大沢は、僕を見るなり、次のように話し掛けてきた。

 

 

大沢:「矢吹、お前の友達を思いやる気持ちには、実は感動しとったんよ。
これな、卒業後にやるオレ達のライブなんよ。ヨシノリと来いや!」

 

 

と言って、アマチュアバンドのライブチケットを2枚くれた。

 

チケットを見ると、そこには、集団暴行に参加していた化学科の連中が軒並み名を連ねていた。

 

大沢は、更に付け加えた。

 

 

大沢:「みんな、お前のことをとっくに許しとるんよ。
それよか、オレがお前をヨシノリを体を張って守ろうとしたことを話したら、
みんな矢吹の発言は、”ちょっとした失言だったのかもしれんな” って言っとたんよ。」

 

 

そういうことだったのか。
行橋の宮里さんや苅田のFさんの力だけで、こんなに平和になるのもオカシイと思っていたのだ。

 

僕は、少し照れながらもチケットを受け取り、次のように返答した。

 

 

矢吹:「ありがとう!ヨシノリと絶対に行くよ!!」

 

 

だが、僕は、このライブへ参加することはなかった。

 

なぜなら、僕がこのライブが開催される日には、この街を捨てていたからである。

 

以前も述べたが、僕は周到な駆け落ち計画をしていたため、僕の所在を知る者は、両親以外誰も知らなかったし、両親にも僕の所在は絶対に誰にも言わないように、緘口令を敷いていた。

 

大沢達のライブのことは、後から電話でヨシノリから聞いた。

 

そこは、因縁が全て解決され、ヨシノリと大沢もすっかり和解し合い、ヨシノリも飛び入り参加で「BOφWY」を歌ったとのことだった。

 

「本当に平和が戻ったんだ」と、僕は電話越しで安堵の気持ちになったのだった。

 

 

 

そして、僕は卒業式が終わり、ようやく自宅へと帰り着いたのだった。

 

普通、共学の高校だったら、後輩の女子高生から制服の第2ボタンをせがまれたりするのだろう。

 

僕の場合は、帰宅すると、そこに待っていたのは、すっかりヤンキー色に染まった同じ高校の後輩が待ち構えていた。

 

 

「矢吹先輩、制服ください!!」

 

 

そうなのだ。

 

ここの高校の恒例イベントは、後輩の女子高生から制服の第2ボタンをせがまれるのではなく、短ランとボンタンの上下の学ランを、丸ごと後輩のヤンキー高校生にせがまれるという古い慣わしが根付いていたのだった。

 

 

「おう、全部持っていけや!」

 

 

そう言って、僕は着ていた短ランやボンタンを脱ぎ、ジャージに着替えて、学ラン一式を後輩に渡した。

 

すると、後輩は、僕の部屋の中にある中ランも欲しいとせがんできた。

 

 

(「こ、こいつ、オレの服装チェックをよくしてやがんな~」)

 

 

僕は、実はその日の気分で、たまに中ランを着ていた。

 

この中ランは、当時としては珍しく、インナーに手振(てぶ)り刺繍で、右側に白い菊の花、そして左側に橙色の虎の刺繍が施されており、僕はその芸術性に魅了されていた。
※普通、インナーは、玉虫といって紫色のサテンに似た生地(これは短ランに多い)だったり、マシン刺繍の昇り龍が施されたりしていた。

 

僕は、泣く泣くその中ランも手放した。

 

こうして、僕の卒業式はそっけなく終わった。

 

 

 

そうそう、言い忘れてことことがあった!!

 

生徒会長の龍也の卒業式ぶりだけは補足しておきたい!!

 

とにかく、凄かった!!

 

全身真っ白の襟高の長ランにボンタン、靴は白いエナメルで決め込み、髪の毛もここぞとばかりにキンパツのリーゼントで卒業式に参列していた。

 

まさに、圧巻であった。

 

この龍也の姿に物申す先生は、もはや誰一人として居なかった。

 

更に驚くことは、いつも送迎で使っていたマスタングではなく、校門の外には、これまた真っ白なピッカピカのコルベットが止まっており、卒業後、龍也は颯爽(さっそう)とコルベットに乗り込み、自分で運転して去って行った。

 

この見送りに、何十人の弟子達が立ち並んでおり、それはまるでヤクザの組長の刑務所からの出所のようであった。

 

僕は、なんとか卒業まで出来たことを、龍也へお礼を言おうとしたが、多くの弟子達に囲まれた龍也の傍に近づくことは難しく、去っていくところを見送ることがやっとだった。

 

しかし、去っていく瞬間に、龍也は僕の方をサッ見てくれ、小さくVサインを送ってくれた。

 

この時の龍也の微笑みは、今だに忘れられない。

 

全くもって、最後までカッコイイ男だった。

 

 

 

卒業式を迎えたその夜は、彼女が卒業祝いをしてくれた。

 

僕達は、少しアルコールの入ったシャンペンを開けて、卒業を祝った。

 

いよいよ、後は駆け落ちの日を待つのみとなったのだった。

 

 



 

 

そして、遂にその日がやってきた。

 

この日、彼女は、彼女の自宅でお母さんや弟さんに、別れを告げていた。

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彼女には、僕達の思い出のデートスポット「ポモドーロ」(実名)という喫茶店で待ち合わせることにしていた。

 

僕は、出発の日、父と母、お婆ちゃん、そして野良猫でずっと可愛がっていたミイちゃんに別れを告げた。

 

父・タツヒコとは、自宅で最後の挨拶を何て言ったのかは覚えていない。

 

おそらく、”元気でな” 程度の言葉掛け程度だったのではないかと思う。

 

ただ、この日は酒を飲まず、僕が旅立つまでシラフで居てくれていたことだけは覚えている。

 

そして、母。

 

母は、僕との別れを悲しんでずっと涙を流していて、隣にいた背中の丸まった婆ちゃんが何度もハンカチを母に渡していた。

 

言葉が出ない母に代わり、婆ちゃんが僕に「丈ちゃん、体には気をつけりよ」と何度も気遣いの言葉を投げてくれた。

 

母も、なんとか声を振り絞り、「がんばりよ…」と一言だけ言ってくれた。

 

 

「ありがとう。大丈夫だから。」

「向こうで成功してお袋やオヤジ、婆ちゃんを呼ぶから待ってて…。」

 

 

そう言って、僕は中古の赤いマーチに乗り込んだ。

 

荷台はトランクだけでなく後部座席もパンパン状態だったが、助手席だけはしっかりと一人分の空間を作っていた。

 

と、そのとき、自宅からオヤジ(タツヒコ)が出てきた。

 

てっきり、オヤジはもう家から出てこないと思っていたので、僕は意標を付かれた気分となった。

 

オヤジは、僕に近づき、僕の左のポケットにグッと何を押し込んで来た。

 

それが何かが分からなかったが、オヤジは僕の耳元で一言小さな声で囁いた。

 

 

「いつでも戻って来い」

 

 

酒を飲んで出刃包丁を振り回したり、物干し竿でスピーカーを突き刺していたオヤジだったが、この時のオヤジは僕にとってはとても頼り甲斐のある男に映った。

 

 

「ありがと…」

「ほんじゃ…」

 

 

そういって、僕はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。

 

「ブ、ブーン。。。」

 

赤いマーチは、ゆっくりと走り出した。

 

その瞬間、母は泣き崩れた…。

 

 

「さようなら、お父さん、お母さん、お婆ちゃん、ミーちゃん、元気で居てね…。」

 

 

この時に、僕は少年のような言葉を使って、家族との別れを告げた。

 

車のバックミラーを見ると、なんとか母も立ち直って、オヤジと婆ちゃんと一緒に手を振ってくれていた。

 

次の交差点を曲がるまで、ずっと手を振って僕のことを見送ってくれていた。

 

「ブーン…」

 

僕は、彼女の待つ場所へと、真っ直ぐ車を走らせていた。

 

 

(「この周囲の光景も、もう見ることはないんだ…」)

 

 

ふと、僕は、あのことが気になり、車を道路の側面に停車させた。

 

オヤジが、出発間際に僕の左側のポケットに押し込んだアレが気になった。

 

 

(「何をオヤジは、ポケットに突っ込んだんだろう?」)

 

 

そこには、二つ折の少し厚めの茶封筒があり、中にはなんと10万が入っていた。

 

 

貧乏で、いつもシワくちゃの千円冊を数枚しか持っていなかったオヤジ…

 

 

そして、スーパーのチラシの裏紙に、ギクシャクした汚い字で短いメッセージが書かかれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「丈へ

 

 お前は神の子だ

 大統領になれ

 

 

    父より」

 

 

 

 

 

(完)

 

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追伸:
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
小説なんて書いたことがなかったので、本当に最後まで書き終えることができるのか、
執筆当初は不安で一杯でした。
また、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
連載途中でアメブロのアカウントが削除されてしまい、
途中までの記事が微塵もなく全て消えてしまうという惨事に見舞われました。
幸いなことに、私のパートナーである純ちゃんが、前々日までのバックアップを
取得してくれていたお陰で、最後までこの小説を書き終えることができました。
この場をお借りして、我がパートナーの純ちゃんには深く御礼申し上げます。
また、何よりも、こんな素人の他愛もない小説に付き合ってくださった心ある読者様には、
同様に深く御礼申し上げます。
小説を書き終えた今、ほっと一息入れているところです。
アメブロのアカウントが削除された後、2週間程、気力を喪失してしまい、続きを書く気になれませんでしたが、
きっとこの小説を心待ちにしてくださっている読者の方が1人は居るはずだ!と
自分自身を奮い立たて、再び書き始めました。
実は、この小説は、あるネットビジネス塾に入塾してから書き始めたものなのですが、
塾は3ヶ月間という期間限定のものだったので、とっくに終わっています。
同じ塾生の皆さんはというと、がっつりネットビジネスで稼いでいる方も入れば、
もうブログの更新も止められた方もいらっしゃいます。
いろんな人間模様が、この短い間にも垣間見れました。
さて、ここで書いた小説は、本当に僕が実際にリアルで経験した事です。
この続きを読みたいという珍しい(?)方もいらっしゃるかもしれませんので、
僕としては続編を書いて行きたい気持ちはあります。
向こうで成功して骨を埋めようと思った僕が彼女(妻)を連れて、
またUターンで戻ってきた理由や、
駆け落ち先でもまたもや抗争事件に巻き込まれ、今度は向こうの暴走族のトップと一騎打ちになる話
(ちなみに、関東連合ではありません。関東連合とは一切、関わりはございません…^^;;)や、
ITヤクザに拉致監禁された親友を救出に行く話、
関東でサラリーマンをやりながらパチプロになる話、
ブルースバンドを結成し有名になる話や、そのバンドの大好きなギタリストが自殺してしまう話、等々、
とにかく、僕の人生は、サラリーマンであるにも関わらず、なんでこんなに波乱万丈なの?
って思える数々のエピソードがあります。
いずれを取っても、書き足りないことが山のようにあるのですが、
所詮、僕はまだ突き抜けきれていない人間なので、駆け落ち先での話というのは、
小説にするのは控えておこうと思います。
ただ、一つだけどうしても小説として残したい強烈なエピソードがあります。
それが、次回新連載となる「ノンフィクション・スピリチュアル物語」です。
これは、本当に言葉で表現するのが難しいリアルな体験談であり、
今の自分の人生を形作る礎となっていることは間違いありません。
そして、この僕の体験は、この僕のブログに訪れた皆さんを幸せに導いて行くお話しとなります。
※というか、このブログは、ここの導くための布石のようにも思います。
つまり、最初っから決まっていたことのように思えてなりません。
本当にマジメに、どんなスピリチュアル系のお話しよりも、壮絶であり、
不思議な世界へ読者の皆さんを導かせていただいたいと思っております。
但し、この連載は、申し訳ございませんが、まだまだ先となります。
※2014年4月連載開始予定です。
「アラフォーの逆襲」が2014年1月から本格的にスタートするため、
今のスタイルのように交互の連載は、ちょっと体力的に限界があります。

有言実行をモットーとしているM@X(まっくす)ですので、
この「ノンフィクション恋愛小説」に続く、「ノンフィクション・スピリチュアル物語」は
必ず書きますので、それまでの間、「アラフォーの逆襲」やFacebook上での他愛もない投稿をお楽しみにいただければと思います。

最後になりましたが、本当に私の処女作を最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました。

皆様のご健康とご多幸を、心よりお祈りしております。

どこかで皆様とお逢いできる日を信じて、これにてノンフィクション恋愛小説を終わらせていただきたいと思います。

本当にありがとうございました。

 

 

浮気をしない本当の理由(浮りゆ)

https://uwairyu.com

 

筆者・M@X(まっくす)

 

 

 

今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。

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