【第57話】2度あることは3度ある!第3波の予感

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(これまでのあらすじ)

 

16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
「よし、これで駆け落ちはなんとかなる!」
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
ところが2つの大きな事件に遭遇してしまう。
[事件-その1] 別のクラスのヤンキー3名に夜襲に遭い、ボコボコにされてしまう。
[事件-その2] 地域No.1の不良「ケント」の子分に夜な夜な嫌がらせ受ける。
2つ目の事件はケント当人の登場により完全に収束。
最初の事件は問題未解決のままとなっていたが、
なんとかこのまま平和な高校同棲生活をやり過ごせるだろうと思っていた矢吹だったのだが…。

続きをどうぞ。

 

 

~~~~~~~

 

 

第1波:ツネ事件
第2波:ケント事件

 

もういいだろうと、自分ながらに言いたくなる。

 

しかし、そうは問屋は卸さない。

 

2度あることは3度あるという諺(ことわざ)があるが、僕自身も例外ではなかった。

 

第3波の事件は、すぐ近くまでやってきていた。

 

しかも、今度の波は普通の津波なんかじゃない。

 

僕の中での観測至上最大の大津波が襲って来つつあったのだった。

 

 

~中断~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※このような表現を使ってしまったことをお許しください。
 私は、3・11を忘れることは決してありません。
 いつも心にあの事件は刻み込まれています。
 ご冥福をずっと祈り続けています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

しかし、なんていうんですかね。

 

問題を解決させないまま、人生を先に進むってことは、我々人間には出来ないようになっているのでしょうかね?

 

神様と会話ができるのなら、尋ねてみたいものです。

 

ケントの潔さに、全ての問題が解決したように思えた僕だったのだが、

 

高校2年の冬、

 

僕は再び大きな問題に直面してしまうのだった。

 

どの位の問題なのかというと、僕が高校を本気で中退しよう追い込まれるほどの事件に巻き込まれてしまうのだった。

 

その日、突然、僕たち高校2年の全生徒が体育館に呼ばれた。

 

「なんだろう?」

 

と誰もが不思議に思ったのだが、それは僕たち高校2年生全員がショックを受ける発表だった。

 

体育館に入ると、壇上の下に学年主任の板東が立っていた。

 

その隣には、校長と教頭が立っている。

 

どうも、話は校長や教頭からではなく、学年主任の板東からあるようだ。

 

体育館内は、突然呼び出されて困惑した生徒達がザワついていた。

 

 

板東:「静かにしろ!前の方へつめて座れ!」

 

 

マイクを使わずに大声を張り上げる板東に、一同全員静かに座った。

 

 

板東:「みんなに集まってもらったのは、報告しなくてはならないことが起きたからだ。」

 

 

(ザワザワザワ・・・・)

 

 

板東:「静かにしろ!!」

 

 

(生徒一同全員静まり返る)

 

 

板東:「実は、昨夜、工業化学科の都丸(仮称)がバイク事故で亡くなった…」

 

 

生徒達:「ええぇぇーーーーー!!!!!!」

 

 

板東:「静かにしろ!!!!!!!」

 

 

板東:「いいか、お前達。人の死というものは、いつ起こるかわらないものだ。」
「都丸は、明るくて素直でイイ奴だった…」

 

 

声を詰まらせる坂東に、体育館の中の生徒達の中からもすすり泣く者達も出てきた。

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板東:「お前たちの死で、一番悲しむのは誰だかわかるか?」
「お前たちをここまで育ててくれた両親だ…」

 

 

会場からは、嗚咽をあげて泣き出す生徒も出てきた。

 

工業化学科には女性の生徒も3名ほど居て、女性生徒達は、肩に手を掛け合いながら泣いていた。

 

 

板東:「命の大切さを今一度考えて欲しい」
「ここはみんなで、都丸に黙祷を捧げよう」
「全員起立!」

 

 

座っていた全員がゆっくりと少しずつ立ち上がった。

 

 

板東:「黙祷!」

 

 

泣き声は止まらない。

 

 



 

 

板東:「直れ!もう一度座れ!」

 

 

そこから、板東は命の尊さを何度も僕達生徒に話し、残り1年少しの高校生活を真剣に過ごして欲しい旨を訴えた。

 

僕は機械科だったこともあり、この都丸という生徒のことは全くと言っていいほど面識が無く、顔と名前が一致しなかった。

 

ただ、同じ単車を愛する者として、彼の事故を悔やんだ。

 

都丸は中型のバイクで峠の山道で転倒した際に、対向車から正面衝突され帰らぬ人となってしまったということを、僕は後に友達から聞いた。

 

僕の高校は、中型免許の取得は禁止されていたのだが、板東はこのことについては、体育館で一切口にしなかった。

 

しかし、この事件は、これから彼女と駆け落ちをして、将来の夢をイメージしていた僕にとって、都丸のことを知らないとは言え、とてもショックだった。

 

この都丸のバイク事故により、「死」というものは誰もが避けて通れない現実であることを強く意識させられたのだった。

 

 

『死は、常に自分と背中合わせにいる。
  そして、それは自分だけではなく愛する人にも言えることだ。』

 

 

体育館の後ろの方に座っていた僕は、体育座りをして下を向いたまま、このことをずっと考えていた。

 

と、その時、こんなセンチな気持ちになっていた僕に、突然、工業化学科のある男が僕にジャレついてきた。(ように思えた)

 

 

矢吹:(「こんな時に、なんなんだ、コイツは」)

 

 

そいつは、”中井(仮称)” という男であり、工業化学科のヤンキー組の一人だった。

 

パチンコ屋でよく会っていて、決して仲が良いわけではないが、僕はたまに自分の出玉を中井に差し入れしてあげたりしていた。
※コイツはめちゃくちゃパチンコが下手だった…。(-_-;;

 

てっきり冗談でジャレついてきたのかと思った僕は、

 

 

矢吹:「おい、こんな時になんしよんかっ」

 

 

と言って、そいつから離れようとした。

 

が、、そいつは僕の体を力づくで締め付けようとし、僕の肩から首に掛けて絞め技を掛けてきやがった。

 

 

矢吹:「お、おい、、なんなんか、急に!!やめろっ!!」

 

 

と言ったが、力を弱めようとしない。

 

中井は、背は小さかったのだが、怪力の持ち主で、中学時代は柔道をやっていた。

 

 

矢吹:「ちょ、ちょっとマジでやめろって!!」

 

 

ようやく力を緩めた中井。

 

なんでこんなことを急にしてきたのかは、本当にわからなかったが、僕は冷静になり、一言、中井に次のようなことを言った。

 

 

矢吹:「お前らや、俺らみたいに、夜な夜な単車転がしている連中が事故んなくて、
都丸のような真面目な奴が運悪く死んだんだ。ちゃんと黙祷しろって!」

 

 

中井も単車を転がしていたので、共に気を付けようぜ!という想いを込め、僕は都丸に対して一緒に哀悼の意を示そうと意思表示したつもりだった…。

 

 

 

 

しかし、その後に悪夢が起こるのだった…。

 

 

(つづく)

 

 

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追伸:
都丸くん、今頃天国で何してるかな?
もう君が天国に行ってから25年以上の時が流れたよ。
僕は君のことを知らなかったけど、こんな僕でもこうして記憶の中に君は生き続けているんだよ。
君と仲良しだった友達は、きっと死ぬまで君のことを愛し続けてくれているよ。
安らかに眠ってください。^ ^

 

 

 

今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。

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