【第67話】2つの謎[中編]

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(これまでのあらすじ)

 

16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
「よし、これで駆け落ちはなんとかなる!」
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
ところがその後に待ち受けていたのは、次の大きな3つの事件であった。

[その1] 他クラスのヤンキー3名による夜襲事件
[その2] 地域No.1不良「ケント」の子分よる深夜の嫌がらせ事件
[その3] 同級生バイク事故死を発端とした大抗争事件

しかし、その後に事件は何事もなかったかのように起きなくなり、矢吹は普通の高校生活を送るようなっていた。
そんなある時、この平和が訪れるようになった謎を知ったといって親友・ヨシノリが、放課後に僕の部屋にやってきた。
謎は2つに分かれており、1つは行橋の不良連中を止めた理由、そして、もう1つは苅田の不良連中を止めた理由でだった。
行橋の謎は、なんと宮里さんがT組に入り、行橋の動きを止めてくれたのだった。
そして、もう一つの謎、苅田の方は…。

続きをどうぞ。

 

~~~~~~~

 

ヨシノリ:「苅田の不良連中が、お前に絡まなくなったのは、なんでかわかるか?丈?」

 

矢吹:「いや、それがわからんのよ..。
宮里さんも行橋の連中は抑えることが出来ても、流石に苅田の連中は知らんはずやけ…」

 

ヨシノリ:「はぁ~、やっぱり、お前、なんも知らんし、わかっとらんのやな…」

 

矢吹:「え!?なんなん、一体…」

 

ヨシノリ:「丈、お前、自分の彼女の過去のこと、知っとるんやろ?」

 

(矢吹:「え?まさか、オレの彼女が元ヤンで、レディースやったってことを言いたいんか?」)

 

 

僕の彼女が元ヤンだったってことは、誰にも言ったことがなかった。

 

しかし、そのことをヨシノリは知っているというのか?

 

 

(矢吹:「ま、まさか、お前、オレの女とイイ関係になっていたとでも・・・」)

 

 

一瞬、ヨシノリを勘ぐったが、ここは冷静に続きの話を聞くことにした。

 

 

矢吹:「いや、そりゃ知っとるよ。オレは彼女の全てを知った上で付き合ってるんだから…」

 

 

この時、”結婚を前提に…” という言葉を、どうしてもヨシノリには言い出せなかった。

 

おそらく、僕の本気度を分かってもらうことは、当時お互いに17歳であったヨシノリには理解できないだろうと思ったからだ。

 

 

ヨシノリ:「そうか、じゃあな、丈。お前の彼女、身近に仲の良い男が傍に居なかったか?」

 

 

誘導尋問のように問い掛けて来るヨシノリに、僕は急に緊張感が高まってきた。

 

 

矢吹:「・・・うん、、いるよ。でも、もう今では何も関係がないと思うんだけど…」

 

 

——— ここから、またまた回想シーンとなります…

 

実は、僕が彼女と付き合い始めて、彼女の自宅へ出入りし始めた頃、ちょくちょくある男が彼女の自宅へ遊びに来ていた。

 

確か彼女よりも、1つか2つ年上の男だったと思う。

 

つまり、僕よりも5つか6つ年上というわけである。

 

僕は、最初、面食らって、彼女に「どういうことよ?」と問い質した。

※優しく書いていますが、この件で激しく喧嘩になりました。当初…^^;;

 

すると彼女の方から、

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彼女:「あの人は、昔っからの男友達よ。なんか勘違いしてない?
あ、もしかして、誤解しとるん?
ヤキモチ焼きよるん??(笑)
あの人、ちゃんと付き合いよう女の子おるんよ。
でも、矢吹くんがヤキモチ焼いてくれるんなら、嬉しい。」

 

 

と言われて、なんとも複雑な気持ちになっていた。

※実際には、急に年下っぽく僕のことを見られたことが、最高に嫌だった。

 

その男は、Fさんと言った。

 

Fさんは、ガタイが良くて、パンチパーマが伸びたような剛毛な黒型をしており、見るからに、昔はバリバリに悪かったんだろうなと思わせる風貌をしていた。

 

しかし、Fさんには、真面目に付き合っている女性がいて、彼女の写真をいつも持ち歩いている可愛い側面もあり、たまに僕の彼女にFさんの彼女の相談を持ち掛けていることもあった。

 

そんなFさんは、いつも僕のことを “少年” と呼んでいて、

 

「おい、少年、お前、この女と本気で付き合おうと思っとるんか?大変だぞぉ~、この女は。ワッハッハ」

 

と、いつも上から目線で僕を見ていたのだが、そんな僕をとても良く可愛がってくれるようになり、いつしか僕はFさんがお兄ちゃんのように思えていた。

 

 

 

そんなある日、僕は彼女から過去のアルバムを見せられたのだ。

 

そこには、元ヤン&レディースだった彼女の過去が露わとなっていた。

 

(「【恋愛小説:第15話】ゴッドファーザー ~愛のテーマ~ 」参照)

 

実は、その中で僕の記憶にはっきりと刻み込まれたインパクトのある写真が2枚あった。

 

1枚は、屋根をブッタ切って、パープルメタリックに全塗装した初期型マークⅡを、火花を散らしながら夜中の国道を蛇行運転している車の写真だった。

 

この車に箱乗りして、「E.YAZAWA」の真っ赤なスポーツタオルを振っている僕の彼女の姿が強烈に印象的だった。

 

そして、このヤン車を運転しているのが、Fさんだった。

 

もう1枚インパクトがあったのは、真夜中に集会をやっている写真だった。

 

集会の中心人物は、Fさんだったのである。

 

——— 回想シーンは、ここで終わりです…

 

 

僕は、Fさんのことを、ヨシノリに話した。

 

暫く下を向いて黙りこくっていたヨシノリだったが、ゆっくりと口を開いた。

 

 

ヨシノリ:「実はな、丈。そのFさんって方が、苅田の不良連中の動きを全て止めさせたんよ。」

 

矢吹:「ど、どういうこと?…」

 

 

僕は、彼女と本格的に付き合い始めてからというもの、Fさんとの関係は一切無くなっていた。

 

 

 

そのFさんがなぜ…

 

 

 

 

 

矢吹:「あっ!そういうことか!」

 

 

 

 

 

僕は、あの日の夜のことを思い出した。

 

 

そう。

 

 

僕の暗闇が続いた半年間の過去の出来事を、彼女に話したあの夜のことを僕は思い出していた…。

 

 

 

(つづく)

 

 

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追伸:
一気に書けるかなと思ったのですが、今回はなかなかそうは行きませんでした。
このFさんを表現するのは、やはりもう一話必要なんです。
次回、Fさんの正体が明らかになります。

 

 

 

今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。

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