【第60話】ジェームス・ディーンのように

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(これまでのあらすじ)

 

16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
「よし、これで駆け落ちはなんとかなる!」
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
ところがその後に待ち受けていたのは、次の大きな3つの事件であった。

[その1] 他クラスのヤンキー3名による夜襲事件
[その2] 地域No.1不良「ケント」の子分よる深夜の嫌がらせ事件
[その3] 同級生バイク事故死を発端とした大抗争事件

ズタボロとなった矢吹の前に、一人の男が現れる。

彼は味方なのか、それとも敵なのか?

矢吹の高校生活はどうなる?

続きをどうぞ。

 

~~~~~~~

 

歯科医から戻った後、夜になって彼女がやってきた。

 

僕は、正直に全ての事情を彼女に話した。

 

彼女は心配そうな顔をしていたが、何かが出来るわけもないので、その夜は不安な一夜を過ごさせてしまった。
※僕はこんな夜を、彼女には結婚後も何度か過ごさせている。(>_<;;

 

あくる朝、集団暴行事件から一夜が経った僕の顔は真っ青に腫れ上がっており、誰かに暴行を受けたことは、誰が見てもわかるような様相を呈していた。

 

また、体中も打撲だらけで、歩くのがやっとの状態で高校へ行った。

 

いつもと変わらない授業が始まり、昨日の事件が嘘のように普通の高校生活が始まった。

 

ところが、昼休みに変化が起きた。

 

 

「ガラガラ・・・」

 

 

一人の男が、睨みを利かせて教室に入ってきた。

 

その男とは、同じ機械科の隣クラスの宮里さん(仮称)だった。

 

 

~~~ ここで、宮里さんの解説をします… ~~~

 

宮里さんは、学年が1つダブっており、年は僕よりも1つ上だった。

 

行橋出身であり、なんとジェームス・ディーンにそっくりだった(ホントに!)。

 

丹精な深い顔立ちで、髪型は薄い茶髪に染めた緩めのパーマを掛けており、学ランは校内で唯一の長ランを着ていた。

 

ズボンはボンタンではなく、ぶっといドカンという出で立ちだった。

 

背はさほど高くなかったが、中学時代は野球をやっていて首回りが太く、上腕二頭筋の筋肉が学ランを着ていても分かる位に、腕周りがピシっと張っていた。

 

タバコは、いつもセブンスターを吸っており、加えタバコは本当にジミーの生まれ変わりなんじゃないかと思わせる位に男の色気を漂わせていた。

 

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(この顔は本当にソックリ!!)

 

実は、宮里さんは行橋・筑豊地区で知らない者は居なかった。
※小倉・苅田方面は少し前に登場したケントが有名だったが、行橋方面では学年は違うものの宮里さんが有名だった。

 

実は、行橋には、宮里さん以外に、Yというツワモノがいた(僕は一度も会ったことがない)。

 

Yは、父親を金属バットで殴り、年少(少年院のこと)に入ったこともあり、皆に恐れられていた。

 

なぜ、ここでYの名前を出したのかというと、このYが唯一恐れていた男が、宮里さんだという噂を聞いていたからだ。

 

宮里さんは中学時代に、このYとタイマンを張ったことがあり、行橋中学の真冬のプールにYを叩き落とし、土下座させ謝らせたとのことだった。

 

この話は、すべてヨシノリから聞いた話だが、他にもこの地域に住む友達からも同じことを聞いていたので間違いのない情報だと思った。

 

その宮里さんが、ダブる(進級できないこと)ということを聞いたのは、僕が高校1年の頃だった。

 

まずもって、こんな宮里さんに僕が近付ける可能性はゼロに等しかったわけだが、ヨシノリが間を取り持ってくれた。

 

ヨシノリは、中学時代から宮里さんに可愛がられていたのだ。

 

初めて宮里さんと逢った時は、僕は緊張のあまり、何も言葉が出せなかったことを覚えている。

 

ところが、ふとしたことから音楽の話になり、僕がブレイク前の「バービーボーイズ」のCDを持っていたことで、急に仲良くなれたのだ。

 

宮里さんも、いち早くバービーの良さに気付いており、僕が持っている2枚のCDを貸してあげたところ、とても喜んでくれて、そこから舎弟のように優遇されたのである。
※ちなみに、CDは今だに貸したままです。う、器が小さいなぁ~、自分!!*^^*;;

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こんな宮里さんでしたが、高校に入り、一切表舞台に出なくなった理由があった。

 

なんと、女子中学生と同棲を始めていたのである。

 

僕も高校2年から4つ年上の彼女(今の妻)と同棲をスタートさせていたので、宮里さんのことをどう思うのかは、なんとも複雑な気持ちでした(笑)

 

ちなみに、宮里さんは、結局、高校3年に進級できず二浪が決定。
(頭のキレは良いお方だったのですが、滅多に学校に来られないお方だったのです)

 

その後に、高校を中退し、今現在は、ある暴力団の幹部にご就任されております。*^^*

 

実は、僕は、社会人になって駆け落ち先から帰省した際に、一度だけ挨拶に伺ったことがあるのですが、この時には既にその道のお方になられていましたね。

 

ビシっと黒のスーツに身を纏い、車は真っ黒なスモークベタ貼りのベンツでしたので…。

 

この時は、プライベートに関しては一切口にせず、お土産だけを渡して帰りました。

 

そちらの道へ本格的に進出されたことは、後から風の噂で聞きました。

 

さすがに、今、再開しても「バービーボーイズのCD2枚返して」なんて言えませんよね~?^^;;

 

お元気ですかね?宮里さん。^^;;

 

~~~ 以上、宮里さんの説明おわり ~~~

 

とにかく、昼休みに、宮里さんは凄い剣幕をして、僕の教室へとやってきた。

 

そして、教壇の前の席にドカっと座り、反対に振り返って、足を広げて、僕の方をキッと見た。

 

そのあまりに張り詰めた空気感を漂わせていたため、クラス中の生徒は、そそくさと教室の外へと出て行ってしまった。

 

教室内に残ったのは、宮里さんと僕、そしてヨシノリだった。

 

宮里さんを僕の教室に呼んだのは、ヨシノリであること分かっていたが、宮里さんが直接、僕のところへ来てくれるなんてことは想像も出来なかった。

 

 

宮里さん:「おい、丈。ヨシノリに聞いたぞ。ヨソの科の連中にヤられたんか?」

 

 

凄い目付きで僕を睨む宮里さんに、ただならぬ事態になったと僕は思った。

 

 

矢吹:「はい。生徒会のヤンキー連中を筆頭に、化学科と電気科の連中2、30人に囲まれ、やられました…。」

 

 

僕は、正直に口を割った。

 

 

宮里さん:「そいつらは、オレが知ってる奴等か?」

 

 

執拗に相手のことを聞いて来られる宮里さんだったが、この時、なぜ宮里さんが相手のことを聞いてきたのかは、この時はまだわからなかった。

 

普通に考えれば、僕にとっての親分のような存在である宮里さんなわけだが、シャバの世界から長く身を引いていた(と勝手に思っていた)宮里さんが、僕ごときのために人肌脱ぐなんてことは想像できなかったのだ。

 

 

矢吹:「いえ、宮里さんとは、何も関係のないヤツらです。」

 

宮里さん:「そうか。おい、ヨシノリ。お前は知っとんか?丈をクラした(殴った)奴等のこと…」

 

ヨシノリ:「うん、まあ、知っとることは知っとるけど、深くは付き合っとらんですよ。」

 

宮里さん:「そっか…」

 

 

そういって、宮里さんは目を瞑り、暫く何かを考え始めていた…。

 

僕には、この沈黙が何時間にも感じた。

 

 

 

そして、宮里さんは、パッと目を開けて、ヨシノリの方を見て、一言次のように言った。

 

 

宮里さん:「ヨシノリ、お前ヤレ。」

 

 

僕は、この時、この宮里さんの指示には深い意味が隠されていると感じた。

 

宮里さんが出れば、瞬時に問題は解決すると思われた今回の事件を、まずはヨシノリを動かし、様子を見ようとしている宮里さんに、僕はただならぬ謎めいた何かを感じてた。

 

 

 

 

この真相が明かされるのは、まだ先となるのだが、それはまるでドラマのような結末を迎えるのであった。

 

 

(つづく)

 

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追伸:
ここからの連載は、一切手が抜けません。
これまでも、手を抜いてきたつもりは毛頭ございませんが、
凄い展開が連続的に起こってきます。
ここまでのノンフィクション恋愛小説を読み続けて来てくださっている方は、
この浮りゆ小説が単なる高校生活を描写しているものではないことを感じ取っていただけていると思います。
僕自身、実はキーボードを打つ手が震えることもあります。
(寒さが増してきたというのも事実ですが(笑))
ここから、この小説をどうやって忠実に書いて行けれいいのか…。
本当に、僕の手は震えています…。

 

 

 

今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。

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