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【第54話】割れたガラス越しの愛

      2016/11/08

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(これまでのあらすじ)

 

16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
「よし、これで駆け落ちはなんとかなる!」
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
ところがある日の深夜、別のクラスのヤンキー3名に呼び出され激しく暴行を受けてしまう。
幸せな同棲生活は、一気に暗澹(あんたん)になってしまったのだった。
この問題は電話番号を変えることで一時的に治めたのだが、
次になんと、この地域No.1の不良「ケント」の子分から週末に単車を貸せと言って絡んできた。
矢吹は、平和な週末を取り戻すことは果たしてできるのだろうか?
続きをどうぞ。

 

~~~~~~~
ツネ達による深夜の呼び出しから解放されたのは、束の間の安堵だった。

 

中学教師の兄弟の兄・本田は、毎週末の土曜の夜、僕の "離れの部屋" の窓をノックしてくるようになった。
理由は、一貫して
「ケントからの依頼によるバイクの貸し出し」

 

だった。
そりゃそうだろう。

 

いつも週末の夜は、僕も仲間と夜な夜な単車を転がしていたわけだ。

 

そんな僕は、彼女との同棲生活がスタートしてからというもの、完全に単車仲間の連中とも疎遠の関係になってしまっていた。

 

誰かが「矢吹は、もう単車乗ってないけ、借りろうや!」と言ったと考えてもおかしくない。

 

こんなことなら、乗らないバイクはとっとと売っぱらっておくべきだったが

 

「後悔先に立たず」

 

ってやつだ。

 

このタイミングで売ってしまうのも、角が立ってしまうのは誰が考えてもわかることだ。

 

しかし、毎週こんな形で夜な夜な来られるのは、もう我慢の限界に近かった...。

 

しかも、来る相手は、僕よりも2、3コ年下の向かいの中学生の本田なわけである。

 

また僕の彼女も、毎週土曜日の夜になると単車を借りに来る本田の存在にうんざりしていて、「なんとかならんと..?」といつも僕に言っていた。

 

こんな週末を繰り返していたのだった。

 

そして、またいつものように土曜日の夜がやってきた。

 

 

「コンコン、、コンコン、、、、」

 

 

僕は、溜まったストレスが抑えきれなくなり、遂にブチ切れてしまった!
窓をいきなりガッと開けて、僕は深夜に、次のような怒鳴り声を張り上げて、本田を威嚇した。

 

 

矢吹:「おい、コラぁ~!てめえら、イイ加減にせいよ!!コノぉ~!!!!!
単車貸した次の日は、いつもガソリン空っぽやねぇか!
しかも、タンクも少し凹ませとろぉ~が!!
あとのぉ~!マフラーも勝手に穴開けてから音デカくしとろうが!!
オオ、このぉ~!!なんか言ってみぃや!!」

 

 

本田は、完全にビビりまくり、その場に立ちすくんでしまった。

 

 

本田:「・・・」

 

 

僕は、更に怒りの権幕で次の罵声を浴びせた。

 
矢吹:「何か言ってみぃや!
お前ら全員ぶっ殺すぞ!!!
ケントがなんや!連れて来いやぁ~!!!!!
その場で刺し殺したるわ!!!!!!ボケぇ~っ!!」

 

 

と怒鳴り散らかし、そして、なんと、そのまま台所の窓ガラスを右手で思いっきりブチ割ったのだ。

 

 

「バリーーーーン!!ジャラジャラジャラララ・・・」

 

 

ガラスは粉々に砕け散り、僕の右手の拳は血で真っ赤に染まった...。
本田は、その場に立ちつくし、ブルブル震えて下を向いたままだった。

 

 

矢吹:「帰れ」

 

 

僕は一言、小さな声で本田に言った。

 

 

本田は、何も言わず、黙ってその場を立ち去って行った。
辺りは、台風が過ぎ去った後のように静まり返っており、粉々に散った窓ガラスの破片があちこちに散在していた。
僕が血まみれの右手を左手で覆い、台所の横に掛けてあった乾いた布巾で右手の血を拭った。

 

 

振り返って彼女の方を見ると、彼女は頭から布団を被ったまま、隙間からじっと無言で僕の方を見ていた。

 

 

僕は、布団に包まる彼女に一言だけ言った。

 

 

 

「...大丈夫だから..」

 

 

 

僕は、散らばったガラスの破片はそのままにして、新聞紙を広げ、冷たい風が吹き込まないようにと、ガムテームを窓ガラスの枠に充てて止めようとした。
しかし、痛めた手では思うように上手く新聞紙を窓枠に充てて、ガムテープを止めることができなかった。

 

 

そんなとき、僕の顔の左側からすっと白い手が伸びてきて、反対側の窓枠を押さえてくれた。
彼女は、今回も黙ったまま僕の作業を手伝ってくれた...。
僕は我慢しきれずに、振り返って彼女を抱きしめた...。

 

 

そこには、何も抵抗しない彼女がいて、僕は彼女の温もりだけで幸せを感じようとしていた。

 

 

この抱擁は、彼女との愛を確認するためのものだったのか、それとも、これから訪れるであろうケントの逆襲の恐怖を忘れようとしたものなのかは、今となっては覚えていない。

 

ただ、はっきり覚えているのは、僕たちが駆け落ちするまでには、まだまだ長い長い "時間" という、どうしようもなく解決できない壁が立ちはだかっていたことだけは覚えている。

 

 

(つづく)

 

 

garasu

 

 

追伸:
こんなに時間が欲しいと思っている今では、考えられません。
問題は"時間"という壁だった頃があったのです。
1日でも1時間でも1分でも、
とにかく僕たちは時間を進めたかったのです。
次回、アイツが登場します。
そうです。「ケント」のお出ましとなります。

 

今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。

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