【第45話】極道の妻たち

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(これまでのあらすじ)

16歳で初体験を終えた矢吹。
初体験の相手の衝撃的な事実を知った矢吹は、付き合い始めてわずか1週間で彼女との結婚を決断した。
1年半後に訪れる高校卒業と同時に、荒れ果てた生まれ故郷を捨て、花の都“東京”へ彼女と駆け落ちをする計画を立てた。
この短期間で100万円を稼ごうと、矢吹の選んだ道は『パチンコ』。
極秘テクニックの実践で、いきなり月に50万以上を荒稼ぎすることに成功。
その後、失敗と挫折を繰り返すことになるが、なんとか安定的に収益を上げることができるようになった。
よし、これで駆け落ちはなんとかなる!
そう思った矢吹は、残りの高校生活で、彼女との同棲をスタートさせる。
このまま幸せな高校生活をエンジョイして、一気に彼女と駆け落ちできると思った矢吹だった。
しかし、ある土曜の深夜に掛かってきた1本の電話から事体は急変するのだった。
深夜に他のクラスのヤンキー3人組に呼び出され、ボッコボコにやられてしまったのだ。
体中、打撲だらけになった矢吹を待っていたのは…

~~~~~~~

 

ツネの自宅から解放されたのは明け方近くの午前5時過ぎだった。

12月の午前5時は、まだ外も真っ暗な状態だった。

僕は、フラフラで原チャリを自宅の中へ入れて、なだれ込むように自分の “離れの部屋” に戻った。

おそらく鍵が掛かっていると思ったが、そっとドアのノブを回していた。

すると、鍵は掛かってなく、すっと部屋の扉は空いた。

と思ったら、部屋の扉のすぐ傍で彼女が心配そうに待っていてくれていた…。

原チャリを自宅の中へ入れる音に彼女が気づき、部屋の鍵を開けてくれたのだ。

矢吹:「た、ただいま…」

彼女:「・・・大丈夫?…」

矢吹:「あ、あぁ…」

交わした言葉はこれだけ。

ボコボコに腫れた顔と泥にまみれた服を見て、彼女はすっと立ち上がり、炊事場に行ってお湯を沸かしてくれた。

この “離れの部屋” は、お婆ちゃんが自炊できるように、炊事場とトイレが一体になっていた。

彼女は、湯が沸いたことを確認した後、サッと洗面器に湯を注ぎ、温度を確認してからタオルを漬け、手際よくギュッとタオルを絞り、僕の顔を拭いてくれた。

この間、彼女から僕に一言も話してこなかった。

口を開いたのは、僕の方だった。

「ちょっと色々あってね…」

彼女は、コクリと頷き、そのまま黙って僕の顔や体を拭いてくれた。

その後、彼女はジャマを取ってくれて、「早く着替えて」とひとことだけ僕に言った。

そして、

「もう遅いから早く寝て…」

と言って、いつもと変わらない夜のように、彼女は僕の肩に寄り添うようにして目を閉じた。

 

(「なぜ、何も聞かないんだろう?」)

今でもそうなのだが、彼女は僕が何か問題を起こしても、それが何だったのかを聞こうとはしない。

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サッと自分の役割に徹し、やるべきことをやると、後は黙ることが多い。

問題ばかり起こしていた僕は、最初の頃、こんな態度を繰り返す彼女に対して、

“結構、冷たいところがあるんだな…”

っと思っていた。

しかし、徐々に僕は歳を重ねるごとに、この彼女の気持ちが理解できるようになっていった。

「男の世界に口出しはしない」

これが、彼女のポリシーなのだ。

聞いたところで、自分には何もできないことを彼女はよく理解していた。

だから、自分がやれることを寡黙に行い、少しでも僕の負担を軽くすることを心掛けてくれていたのだ。
僕は、映画『極道の妻たち』を見て、このころが理解できた。
※なんて浅はかなんだろう…^^;;

 

次の日、夜が明けて、僕の顔はアチコチ腫れ上がっていた。

彼女の迅速な対応で、多少顔の腫れは引いていたのだが、

まず誰が見ても、僕が何かやらかしたんだろうってことはわかると思った。

僕は特に手当て等は行わずに、そのまま学校へ行った。

その時に、一番に駆け寄ってきた男がいた。

そうだ。

「ヨシノリ」

だ。

僕の親友が凄い剣幕で、僕のところへ来た。

ヨシノリ:「おい、丈!何があったんか?」

矢吹:「ちょっと外出て話そっか。」

そう言って、僕はヨシノリを外へ連れ出した。

一部始終をヨシノリにはお伝えたのだが、どうもしっくり来ていない様子だった。

とにかく、ヨシノリには、「お前も結構目立っているから気をつけろよ」と告げた。

このとき、僕は “犯される前にぶっ殺す” 計画は黙っていた。

「お前の女を犯す」

ツネのこの言葉を聞いた以上、僕の殺人計画は誰にも止められないのだ。

見てろ~…

(つづく)

gokudouno

 

追伸:
まあ、結論から言っちゃいますけど、
殺ってはいませんから(笑)
一応、こうしてブログ書いてますしね…。^^;;
ただ、僕はですね、、ちょっと頭に血が上ると、肉食の野生動物のようになる節があります。
※今でもあるのですが、かなり穏やか(?)にはなったようです…。
明らかに世の中に反しているようなものを見ると燃えるんですよねぇ~。
ま、僕のことはどうでもいいですね。
今日は、すみません..。
少し手を抜いています。風邪が治んなくって…。
回復次第、しっかりとアップしますので、も少し待っててくださいね♪

 

今日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
それではまた。

 

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